20091029

「なっとくする電気数学」

後藤 尚久 (著)「なっとくする電気数学」講談社, 2001年.

7月の終わり頃、電気回路の勉強をしようと思い立って買った本。理工系の大学で微積分と複素解析を習ったことがある人たち(大学に在学中あるいはもう一度勉強しなおしたい人たち)向けの本で、厳密性にはあまりこだわらないが、本質的なことが失われない程度に特殊な例を図を多用しながら丁寧に説明しながら、物理学で使われる数学の重要な定理を紹介してくれている。あまり厳密性(級数の収束など)を気にしなければ、スラスラと読めるのではないかと思う。私の場合、複素解析の基礎がちゃんとしたものではなかったので、複素解析の勉強をしてからでないと読めなかった。

4つの章はそれぞれ、複素解析、ベクトル解析、フーリエ解析、線形代数に対応している。1章の交流回路の理論では、複素関数を用いて交流回路の方程式を記述すると、直流回路の方程式とほとんど同じように扱えるというのは知らなかったのでこれは新鮮であった。ベクトル解析の章は、ちょっと難しかった。ガウスの公式はどうにか理解したのだが、最後のストークスの公式はよく分からなかった。フーリエ解析の章は、この本の中で一番良かった。ギターの弦の振動という単純な例を通して、弦の振動がどのようにフーリエ級数として表現されるかということから始まり、さらに、フーリエ変換とラプラス変換についても丁寧に説明されている。(スペクトルの例題はよく分からなかった。)線形代数の章は、他の章に比べて易しすぎると感じた。

とにかく頑張れば、電気数学についての一通りのことは理解できるのではないかと思う。もちろん、この本で全てが分かるわけではないので、この本を読んだ後はより高度な本を読めば良いであろう。私もそうしたいと思っている。

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